わたしの好きなみのかも(加茂野地区)
美濃加茂市にゆかりのある人たちが市内の魅力を紹介するリーフレット「ミノカモ ストーリー」。特別なストーリーをもつモノ・コトを皆さんと共有しながら、2023年度にvol.3の発刊を迎えました。このnoteでは、美濃加茂市市制施行70周年記念誌「ミノカモストーリー」に掲載された方々のお話を、市内の地区ごとに(全8回)ご紹介していきます。
小学校へと続く放課後のあぜ道
小学生の頃、家に帰るとすぐにランドセルを置いて、近所の公園や学校の運動場へ遊びに行くような子どもでした。私の家と学校とは、少し距離があったので、登下校時は通学班のみんなと歩いての通学でしたが、学校から帰ると、その歩いてきた通学路を、自転車のカゴにサッカーボールを入れて戻っていく毎日を送っていました。
通学はもちろん、こうした放課後の時間を含めると数えきれないくらい通った通学路。田んぼのあぜ道のような場所だったので、子どもながらにその道から季節を感じて生活していたように思います。夏の初めから秋にかけて聞こえたカエルたちの鳴き声や、友達と一緒に口にして楽しんだ野草の甘酸っぱい味、ジャンケンをしながら歩いたり走ったりしたときに踏みしめた地面の感覚など、この道を通して過ごした放課後のあの時間は、いまでも鮮明に覚えている私にとって大切な場所となっています。
木野池中央部に続く橋
私が暮らす加茂野町では、古くから農業用水を確保するために作られた人工的な池である「ため池」が多くあり、子どもの頃からその存在が身近にありました。実家の近くにも、二百年近く前に整備されたとされている「木野池」があり、小学生の頃は、よく池の中央部に続く橋で釣りをしていた記憶があります。子どもだった私にとって、池は遊びのフィールドとしてはもちろんですが、さまざまな気づきや学びを与えてくれたような場所でした。今でも池の周りや橋で遊ぶ子どもたちを見ると、とてもほっこりした気持ちになります。
また、消防団時代には、地域で火災があった場合、消火のための「水利」としても活用できることから、ため池を活用した訓練を定期的に行っていたことも思い出されます。それ以外にも、農業用水の確保や水辺空間の形成、大雨時の貯留効果による防災機能確保など、このまちのため池はまちの安心・安全を守る大切な役目を担っていると感じています。