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わたしの好きなみのかも(蜂屋地区)

 美濃加茂市の特産として知られる「堂上蜂屋柿」は、蜂屋町原産の「堂上蜂屋」保存木を接木した果実を使って作られるものを指します。私は母親が堂上蜂屋柿を作っていた畑をもっていて、それを受け継ぎ柿作りを始めました。

 堂上蜂屋柿のシーズンは冬のイメージですが、年間を通して作業があります。毎年2月には剪定・施肥、5月から7月にかけて、余分な蕾や形の悪い実を取り除く「摘らい・摘果」を行います。その後も日々管理していくことで養分が集中した柿が結実します。秋になり、色づいた大ぶりの柿がたわわに実った畑を見ると、「今年もいい干し柿を作ろう」という気持ちになります。

 長い歴史の中で培われてきた「堂上蜂屋柿」。私たちのやっていることもその歴史の一部として、次の世代に伝えていきたいと思います。

酒向 邦彦さん
堂上蜂屋柿振興会 会長
美濃加茂市在住
蜂屋生まれ蜂屋育ち。JA全農の職員として岐阜県産農産物全般の販売を担当していました。退職後、本格的に堂上蜂屋柿作りに関わるようになり、2023年度より堂上蜂屋柿振興会会長として活動させていただいております。

大洞にある「森のようちえん」の園舎

 2015年から、この地域の森をフィールドに、子どもが自然の中で過ごす「森のようちえん」を運営しています。2020年からは、蜂屋町大洞地区にあった空き家を園舎として活用するようになり、この場所から響く子どもたちの声が地域を元気にしてくれているという声もいただけるようになりました。地域の皆さんがずっと大切に守ってきた里山を、私たちも一緒に整備し活用させてもらい、未来の里山や子どもたちの姿を想像しながら活動しています。

 テクノロジーの発達により、あらゆることが人間の力で管理できると錯覚しがちな現代において、自分たちではコントロールできない自然の中に身を置く経験から得られる「蓄積」はとても貴重です。森のようちえんの子どもたちには、人間の力が及ばない状況にも対峙できる柔軟な心と身体を育んで欲しいと願っていますし、目に見えない自然への向き合い方が守られているこの大洞地区の里山だからこそ、その力を育めると感じています。

園田 智子さん
一般社団法人代表/保育士
2015年に「自然育児 こどもの庭」を設立。園舎のない「森のようちえん」をスタートさせ、豊かな自然の中で、大人も子どもも共に学び、感じ、「生きる力」を身につける活動を行ってきました。温かくつながった大人たちの輪の中で、子どもたちを真ん中に、より良い未来の創造を目指しています。