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わたしの好きなみのかも(山之上地区)

 美濃加茂市にゆかりのある人たちが市内の魅力を紹介するリーフレット「ミノカモ ストーリー」。特別なストーリーをもつモノ・コトを皆さんと共有しながら、2023年度にvol.3の発刊を迎えました。このnoteでは、美濃加茂市市制施行70周年記念誌「ミノカモストーリー」に掲載された方々のお話を、市内の地区ごとに(全8回)ご紹介していきます。

企業林「樹守の里」の階段の先にある空間

 美濃加茂市山之上地区の里山には、私たちの会社が所有する企業林「樹守の里」があります。自社で続けてきた環境への取り組みの中で、市が掲げる「里山千年構想」との出会いがきっかけとなり、社員の環境活動を行うフィールドとして、年間を通じたさまざまな体験を行っています。

 私たちの仕事は、一見すると里山環境と縁がないように思われるかもしれません。しかし、使用している水は木曽川水系の水で、その水は豊かな森林から生み出されます。また、工場を作る過程で森林を伐採するため、その責任として、里山の整備活動や、社員自身による森づくりの活動も行っています。

 市役所や森林組合の皆さんの力を借りながら、継続的に整備してきたこともあり、最近は、ホタルやトンボなど、かつて里山にいた生き物たちが多く確認できるようになりました。社員も、この場所で家族と一緒にシイタケの菌打ちや田植えを行い、美濃加茂市やこの場所に対する愛着がどんどん深まってきています。私自身も、樹守の里の階段をのぼった先にある広場はどこか落ち着く空間で、大好きな場所となりました。

 今後は、グループ会社を始め、自治体や地域とも連携しながら、樹守の里での活動を通じて、経済を循環できるような仕組みを作っていきたいと考えています。

長尾 一彦さん
豊田合成株式会社 カーボンニュートラル・環境推進部担当副本部長
自然豊かで美しい美濃加茂の地での活動に感謝しています。
豊田合成の「緑あふれる豊かな地球を未来と子供たちに」というスローガンのもとで今後も地域の皆さんとともに「樹守の里」の活動を進めていきたいと思っています。

果樹園の幾見式

 コンクリート支柱によって果樹栽培の棚のワイヤーを引っ張り支える方法の一つで、新案特許として広く導入されたものです。山之上果樹園でも戦前から使われ、コンクリート柱に「幾見式」を記すプレートを見ることができるものもあります。

 山之上果樹園がある市内山之上町は、2000万年前に起きた火山活動の痕跡を示す「珪化木=木石」が見つかっていたり、30万年前に古木曽川・古飛騨川の働きによって段丘ができたりと、地質的な歴史も感じられる場所です。こうした特徴が現代の果樹栽培や人々の暮らしにも影響をあたえています。

可児 光生さん
みのかも文化の森 美濃加茂市民ミュージアム 館長
身近な所にある資料や資源を通して、地域の良さが分かり合える場所にミュージアムはなれればと考えています。また、関わっている人々や、そこにある資源を生かしながら、地域の文化をつないでいく存在でありたいとも思っています。